解決事例:交通事故(加害者側損保による治療費支払いの期間延長交渉等)

事例
2024.09.20

ご相談内容

自転車にお子様を乗せて運転中、交差点で四輪車と衝突し、母子ともに負傷された事案。治療5か月程で、加害者側損保から治療費の支払を中止する旨の連絡があり、治療費を除く賠償金として60万円の支払提示を受けたが、全然納得がいかないとのご相談。

解決

当職が代理人として介入し、まずは加害者側損保に対し、主治医の見解も踏まえて治療期間については最低半年とすべきである旨を伝えた上で、治療費の支払を1か月程度延長してもらうこととなりました。
そして、およそ半年に及ぶ治療を終えて全ての損害(慰謝料、主婦休損等)を整理・計算し、加害者側損保と示談交渉を行った結果、治療費を除く賠償金として142万円余りを受け取る内容での示談が成立することとなりました。

補足説明

交通事故案件では、加害者側の過失の程度が重い場合、加害者側損保が(被害者の通院先の)病院に対し、直接、治療費を支払ってくれるのが通常です。
本来的には被害者が治療費を負担した上で、その負担額を加害者側に請求するという流れになりそうですが、保険会社が関わる交通事故案件では、被害者の負担軽減等の観点から上記のような取扱いがなされています。
しかし、加害者側損保の担当者の中には、(被害者が主治医から聞かされている治療方針等を十分に考慮せず、)これ以上治療の必要はないという一方的な見解を前提に治療費の支払を中止する旨を伝えてくることがあり、それがきっかけとなってトラブルが生じるケースが後を絶ちません。
保険会社の担当者の中には、「治療費の立替払いはサービスであって、義務ではない」という考えのもと、被害者側で治療継続を希望するのであれば、被害者自身で(健康保険を使用するなどして)治療を受けるように促してくることもあります。
こうした加害者側損保による対応の結果、被害者の中には、自己負担で治療を続けても加害者側からは(自己負担分の)治療費を支払ってもらえないのではないか、といった不安から、実際には痛みが残っていても治療継続を断念する方もおられることと思います。
しかし、交通事故事件では、治療期間(事故日から症状固定日まで)を踏まえて損害(慰謝料、休業損害等)を計算することになりますので、治療期間は損害計算の上でも極めて重要な考慮要素となります。痛みが残存しており、治療継続による症状の改善、治療効果が得られている状況のもとで、治療継続を断念してしまうと、本来的に受けるべき賠償金よりも大幅に減額された賠償金しか受け取れなくなってしまう事態が生じます。
そのため、もし加害者側損保から治療費の支払を中止する旨を伝えられた場合、その後の対応等について弁護士にご相談されるのが良いと思います。
加害者側損保による治療費支払いの期間延長交渉を始め、仮に自己負担での治療継続となった場合は、その回収方法等について事案に応じた対応を検討することが可能です。
私が担当させていただいた上記案件では、加害者側損保による治療費支払いの期間延長、最終的に支払われることとなった賠償金の額等、依頼者様には十分にご納得をいただける解決となりました。
このように当事務所では交通事故案件を多数手掛けておりますので、お困りのことがございましたら、まずはお気軽にご相談をいただければと思います。
https://hisui-law.com/contact/

(弁護士 岸 祐司)

 

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